白鳥の奇跡を起こす

奇跡を起こす1 世界が認めるメーカーに

郡上白鳥の林業と杉原林機

ダイアトップのある岐阜県郡上市白鳥町は、昔から林業がとても盛んな地域です。特に住宅、家具の需要が増え始めた1950年代以降、その材料である木材伐採・加工は地元の中心的な産業に成長していきました。

当時、木材の伐採に欠かせないチェンソーはほとんど外国製のもの。ガイドバーの修理・メンテナンスが必要になった場合、いちいち外国メーカーに依頼するわけにもいかず、「地元で修理できないか」というニーズが自然に高まっていきました。そんな中、ダイアトップの前身である杉原林機は、チェンソーガイドバーの修理専門として創業。地元の林業を”修理”する技術で支えることをミッションにスタートしました。

杉原林機が手がける修理はとても品質がよく、培った技術と知識は「国産ブランドのチェンソーガイドバーを郡上白鳥から」という声にも後押しされ、自社製ガイドバーの開発へと向かっていきました。

そして、郡上白鳥から、国産チェンソーガイドバーブランド”SUGIHARA”が誕生。
当時の「外国製のガイドバーに負けないものを郡上白鳥から」という情熱は相当なものであったと想像できます。

  • 1967年当時の杉原林機

    1967年当時の杉原林機

  • 初期のSUGIHARA

    初期のSUGIHARA

業界の大巨人、オレゴンツール(製品ブランド名:OREGON)に挑む

”SUGIHARA”は、どんどん改良され、外国製チェンソーガイドバーに劣らない品質になっていきました。先端部の超硬合金の溶接技術と剛性と軽量化に優れた”SUGIHARA”は故障も少なく、少しずつ世界で噂に。社内でも”SUGIHARA”は海外でも通用するのではないかという声が増えてきたこともあり、真剣に世界市場への進出が検討され始めました。

世界の市場に進出するとはどういうことか。
チェンソー業界には、世界のガイドバー供給のシェア半分以上をしめる、アメリカ・オレゴン州にある業界の大巨人、オレゴンツール(製品ブランド名:OREGON)があります。”SUGIHARA”が世界市場に進出するということは、大巨人オレゴンツール・OREGONに挑むということです。郡上白鳥にある小さな製造会社がオレゴンツールに挑むことは無謀といえました。

しかし、世界のプロからの評価と”SUGIHARA”のユーザーが徐々に増え続けていることはまぎれもない現実でした。世界のユーザーの評価を信じ、世界市場に”SUGIHARA”を拡販するタイミングは今しかないのではないかと、社内の戦略も明確になり、大巨人オレゴンツールに挑むべく、”SUGIHARA”の本格的な世界市場進出が始まりました。

SUGIHARA

世界にSUGIHARAが広まる奇跡

現社長(玉山隆三)が就任してから、社名のダイアトップ(世界で光り輝く製品をつくり多くの人に喜んでもらう)のような企業にと、世界市場進出を更に推し進めていきました。

玉山の英語力を活かし、また、海外とのコミュニケーションを円滑にするために社内体制も強化し世界に”SUGIHARA”の品質の良さを伝え続けました。

幸いなことに、”SUGIHARA”は、より良い製品を探している若いユーザーたちの目にとまりました。昔から使っている製品にこだわらない若いユーザーのニーズと価格以上に高品質(郡上白鳥生産によるコストメリット)な”SUGIHARA”は見事にマッチしました。こうした若いユーザーとの信頼関係を築くことでシェアは拡大。

良い製品をつくるのは、製造メーカーである以上当たり前です。しかし、良い製品が自然に世界市場で受け入れられるということでは決してありません。しかも、後発メーカーではなおさらです。

世界のプロに認められた”SUGIHARA”は、世界15カ国に広まり、世界シェアの30%を占めるまでになりました。郡上白鳥の小さな製造メーカーが世界シェアの一角に加わり、業界の大巨人オレゴンツールに勝るとも劣らないブランドに成長したことは、まさに、「白鳥の奇跡」と言っていいのではないでしょうか。

世界にSUGIHARAが広まる奇跡
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